会話#090「太腿」 - 1/3

#トリッカーさん視点


深夜恒例のごちそうタイム……!
今夜はレシーバーくんの夢を覗いてみようかな、ってことで、
いつものように、ちょーっと特殊な力を使って、
レシーバーくんの枕元までやってきた。

「うー……うーん……うーん」
レシーバーくん、ちょっとうなされてるみたいだ。
……これは、おいしい夢が期待できるかもしれない……!

僕はいつものように、夢の世界に入り込んだ。

何だかうす暗い空間の中で、スポットライトに照らされているのは、
仰向けになったレシーバーくんと、それに、
レシーバーくんの足の辺りに立っている扇舞くんだ。
扇舞くんが、仰向けになったレシーバーくんを見下ろしている。
……な、なんだろ、この状況……。

「あはははは!」

突然、笑い声が響いた。
その声の主は、……扇舞くんみたいだ。
こんな笑い方、聞いたことない。

ちょっと寄ってみると、扇舞くんは普段からは到底想像もできないような、
不気味な顔で笑っていた。
この夢、現実を元にしてる訳じゃなさそうだ。
だって、ありえないもん。扇舞くんに限って、こんな顔しないし、あんな笑い方しない。
夢って、たまにこういう突拍子もない状況になったりするもんなんだよね。
だからこそ、おいしいんだけど。

見下ろされているレシーバーくんの方は、緊張した顔で扇舞くんを見ている。
金縛りにでもあったみたいに、全く動けなさそうだ。
……それにしても、どういう状況なんだろ?

扇舞くんは、倒れているレシーバーくんをまたぐようにして立った。
「太ももが見たい? ははは、どーぞ?」
そう言いながら、扇舞くんは片足をそっと地面からはなした。
レシーバーくんは、上げられた脚の太ももを、緊張した顔のまま見つめている。
「いくらでも堪能してくれていいよ?」
扇舞くんは、不気味な声でそう言いながら、脚を上げている。

……。

確かに、扇舞くんって、ニーソだし、短パンだし、そこの太ももって魅力的……???
レシーバーくんは、見とれているのかわからないけど、
扇舞くんの太ももを見つめ続けている。

「満足そうだね……でも、その代わり、
このブーツで何度も踏みつけてあげるけどね!!」
そう言うと同時に、扇舞くんの表情が急に狂気的になって――。

……。