会話#090「太腿」 - 2/3

#レシーバーさん視点


「いたいっ、痛いよっ! っ!」
僕がそう叫ぶと同時に、視界が急に明るくなった。

「……夢か」
なんか、すごく痛かった気がするけど、
……全く夢が思い出せない。
ま、でも、痛い夢なら思い出さないままの方がいいか。

そう思って僕は起き上がろうとして、何かおかしいことに気が付いた。
「!?」
横を見ると、トリッカーくんが寝ていた。
なんで、なんで!?
え、僕の布団に、トリッカーくんが、入ってる……!?

「うーん、うーん……いっ、痛い……はぁ、ご、ご褒美、です……うーん」

しかも、なんか、うなされてる……。
寝言の意味がよく分からないけど……。

僕が呆然としたままトリッカーくんの寝ている姿を見ていると、
ドアがノックされて、僕が返事する前にドアが開いた。
「レシーバーおはよー、朝ご飯いこー」
そうだ、いつもの時間だから、スターマインが来たんだ。
もうノックされて返事なんてしないんだよね。
僕、寝坊しやすいし、起こしに来てもらう、なんてしょっちゅうだし。

……で、でも……。

「……!?」

スターマインが、僕の布団を見てぎょっとした。
そして、そこで震えはじめた。

「な、何でトリッカーくんと一緒に布団に……?
え、あ、あ、あの、あ、もしかして邪魔だったとか!?」
「待ってスターマインっ、僕だって何でトリッカーくんがいるか分かんな……!」
「ごめんっ」
「えっ、なんで出てっちゃうの!?」

スターマインが混乱した顔になって、僕も混乱しているうちに、
スターマインがどこかに行ってしまった。

「うーん、……うーん」

まだ横で、トリッカーくんがうなされてるし……。