#049
そっか、心を壊そうと思ってたのは、僕か。
そうだったんだ。
僕は目を開けた。
お腹の痛さもくらくらする感じも急になくなって、僕はすっと立ち上がった。
僕が戸の方へ歩いていくと、その戸が急に開いた。
「トリッカーくん、まだお腹治らない?
……って、え、立ち上がって大丈夫だったの? 平気?」
ああ、扇舞くんだ。
「……平気そうだね」
扇舞くんは安心したように微笑んだ。
――それよりも。
僕は扇舞くんの目の前に手をかざした。
扇舞くんが、気を失う。
「おやすみ」
悪夢を見せてあげる。まずは、君にね。
どんな夢がいいかな。
君の好きな子を守れない夢とか、どうかな?
僕はその夢を見届けてから、夢の外の扇舞くんの様子を確認した。
「おはよう。ちゃんと……眠れた?」
そう話しかけると、扇舞くんは目を開けたけど、
何も答えずに、僕の顔をぼんやりと眺めていた。
……まあ、僕が少し本気を出せば、絶望させるぐらいはたやすいことだから。
こうやって皆の心を壊せばいいんだよね。
僕は扇舞くんの部屋に扇舞くんを連れて行って、ベッドに座らせると、
次の人の部屋に向かった。