会話#047+「夢落」 - 8/8

#053.5

#この話は補足(おまけ)です。(6)と(7)の間の話です
#オリジナルさん視点

アペンドが「ちょっと話が」と言いながら、僕を自分の部屋にひきずっていった。
トリッカーくんがすごく不安そうな顔で僕たちを見つめていたけど、
僕の手を引くアペンドの顔は妙に焦っていた。

「何? 話って」
「トリッカーくんに、さっき、一つ人格を壊されたから、
それを修復してほしい、まず。
不安定でどうかなりそうだ」
「えっ、トリッカーくんに? どういうこと」
「いいから、早くしてくれ。
同時に俺の記憶も見れば、何が起きたかは俺が言わなくても分かるだろ」
「……そういうの嫌なんだけどなあ、「修復」とかいう言い方」
「実際壊されてるんだよ、早く!
お前がそういうの嫌いなのは知ってるけど、頼むから」

確かに、壊れてるのを嫌だからって放置するわけにもいかないし……。
アペンドの動作を一度止めて、
僕は確認作業に入ることにした。

記憶を見て、大体を把握した。
そういう、ことか……。
そして、アペンドが他の皆に対してやった作業と同じことを、
僕もアペンドの人格にすることにした。
あいつも、ちゃんと、この力を使えるようになってたんだな。
この力を分けてまだそんなには経っていないと思うけど、頑張ったんだ。
しかも、一つ人格がない状態でやったのか。
あんなに焦ってたのに、僕がいない間にこれだけやるなんて。

それに、そもそもこれって、元をたどれば、
僕が原因みたいなものじゃないか。
トリッカーくんはずっと謝り続けているし、
アペンドだってずっと自分の夢のせいだって思い続けているけど、
僕だ、僕だよ。

#↓補足
#そもそもの発端だった夢を見ていたのがアペンドさんの3番目の人格で、
犯人であるトリッカーさんを見つけて心を壊されたのは1番目の人格で、
2番目の人格が結局追いつめにかかったって話だったのですが、
オリジナルさんが帰ってくるまでは1番目の人格は壊されたまま、
2番目の人格がずっとトリッカーさんを慰めようとしていて、
でも2番目の人格はやっぱりうまく話せないという名残があって、
アペンドさんはうまく慰められなくていらいらしていたりします。

他の人はアペンドさんが全部元に戻してるんだけど、
自分自身の人格は直せてない状態だったので、
(※自分では直せないらしい)
オリジナルさんが帰ってきたときに「ちょっと話が」と言っているのは、
もちろん今回の件を伝えるのが大きな目的ではありますが、
同時にオリジナルさんに1番目の人格を直してもらおうともしています。