会話#086+「月光」 - 2/4

#087

「突然だけど! お仕事のお知らせに来たよ!」
オリジナルさんが、持っている紙を僕に見せながら言った。
「お仕事?」
「まあまあ、詳しい話は中でさせてくれない? 立ち話とか疲れちゃうよ」
僕はそう言われて、オリジナルさんを部屋の中に入れた。

「鶴くんは撮影のお仕事って初めて聞くかな?
最近だとバボくんとか執行部くんが行ってたあれなんだけど」
「ああ、あれ?
アペンドさんとか、あとスターマインくんとオリジナルさんも一緒にやってた……」
「そうそう、ちゃんと知ってるじゃん」
「あー、あれ……ってあれ!?」
僕がびっくりして立ち上がると、オリジナルさんも驚いた顔になった。
「や、やだな、そんなに驚かなくていいのに……こっちがびっくりしたよ」
「ご、ごめんなさい」
僕は落ち着いて椅子に座り直した。

「今回は鶴くん一人の撮影になるから、ちょっと寂しいかもしれないけどねー。
これによれば、演技もして、踊るとまでは言わないけどちょっと振りもやって、それで歌う、みたいな感じになるんだって」
オリジナルさんが、紙の内容を見ながら言った。
……え、演技……振り……。
今まで撮影のお仕事ってたまに覗きに行ってたけど、
僕には関係ないよなって気持ちで見てたし、正直、自分がやるのが想像できない。
「僕に、できるのかな……」
僕が言うと、オリジナルさんはきょとんとした顔をして、
それから、何となく僕が自信を無いことを悟ったみたいで、少し強気な顔で僕の方を見た。
「君も僕の仲間でしょ。できないわけないよ。
それでも僕なの?」
「……」
何となく、急に自分の意識がどこか遠くに行ったような感じがした。
でも、すぐにその感覚はどこかへいった。
「……演技、とか、よくわからないし、教えてもらえば……?」
「なるほどね。実際指示を受けたようにやるだけだから、そんなに心配しなくてもいいと思うよ」
「そ、そうなんだ……」
「まー、そんなに不安だったら、仕事の前にちょっとぐらいは、
僕が教えられる範囲で教えてあげるよ」
オリジナルさんはそう言って、笑いかけてきた。